剣道技用語-Kendo Waza Terminology


剣道の技には、ただ単に、「面、小手、突き、胴」を打っていくだけではありません。
相手がいて、相手の動きや、相手の状態に合わせて、さまざまな種類の技を仕掛けていくことになります。基本的には、大きく「仕掛け技」と「応じ技」の二つにわけられます。剣道の技の種類をメモします。


一 仕掛け技

仕掛け技とは、相手が動く前に自分が仕掛けることで隙を作る技のことです。


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1.連続技

一本目の打突で技が決まらなかったときに、始めの一本で相手が崩れ隙ができたところを、二本目、三本目の打突を決めていく技です。
(二三段の技:二撃目、三撃目で有効打を決めるバリエーションのことです)

2.出ばな技

出ばな技とは、相手が打とうとして「動いた瞬間に」相手よりも早く打つ技です。相手が動いた瞬間の隙を突くことが重要な技です。

3.払い技

払い技とは、相手の竹刀を払うことで隙を作る技のことです。
払い面、払い胴、払い小手、払い突きがあり、いずれも相手の竹刀を払い上げる形になります。技が決まれば大きく相手を崩すことができます。

4.担ぎ技

担ぎ技とは、大きく竹刀を担ぐ様に振り上げる技です。その瞬間の相手の反応により、空いた部位を狙って打ちます。相手の竹刀に触れることなく、相手の構えを崩すことができます。

5.引き技

引き技とは、鍔迫り合い状態から一瞬離れる(引く)タイミングを打つ技です。多くは名前の通り、体を引きながら打ち込みます。
しかし、うまく決まらなかった場合は相手の反撃を受けやすいので、引き技を放った際にはすぐに間合いを取ることも重要です。

6.片手技

片手技とは、ほとんどの場合では片手で行い、「右面」、「左面」や「突き」などを狙います。
上段や片手上段、または二刀流、二刀の構えなどは最初から片手打ちをすることが前提ですが、諸手の中段構えからでも片手の技を使うことができるのです。


二 応じ技

応じ技とは、相手の打ち込んでくる力を利用して反撃する技の総称です。仕掛け技と違い、相手の攻撃に対して動く、カウンターの様な技です。


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1.抜き技

抜き技とは、相手が面や小手を打ってきた際に使う技です。相手が打ってきたところで体ごと避け、相手の竹刀を空振りさせます。空振りの際にできた隙を突き、打ち込みます。しかし、一歩間違えると相手の有効打を決められてしまう恐 れもあります。

2.返し技

返し技とは、相手の竹刀を受けた瞬間に、攻撃に転じる技です。受ける動きと返す動きを一息で行うため、体さばきや足捌きのスピードも重要となります。また、相手の動きに反応する必要があるので、集中力もなくてはなりません。

3.すりあげ技

すりあげ技とは、相手が打ち下ろして竹刀を自分の竹刀の「鎬」を使って擦り上げ、相手の攻撃線を右か左にそらす技です。相手の打ち込みの力が強ければ強いほど、大きく逸らすことができます。
攻撃線を大きく逸らされ た相手は、体勢を崩し、すぐに立て直すことはできません。その隙を打ち込むことで、有効打を決めることができます。

4.打ち落とし技

相手が打ってくる竹刀を斜め下に打ち落としながら、隙を狙って打っていく技です。
打ち落とした瞬間に打っていかないと、相手と間合いが詰まって有効打突となりませんので、力を抜いて手首の力で打ち落とすことで、間合いが詰まる前に打ち返すことができます。
また、こちらの姿勢が崩れていると、これも打ち返すのが遅くなる原因となりますので、姿勢を正したまま体をさばきながら打ち落とすことが重要です。


Reference